この世で敬愛してやまないモーターサイクル・エンジニアの作品です。
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1990年当時、アメリカデイトナで行われるBattle Of The Twinsでは、ワークスドゥカティを退けてポディウムの中央をもぎ取ったことがあります(排気量の差はあるものの、資金力では雲泥の差だったことは明白です)。
Brittenはニュージーランドのエンジニアが開発しました。
スイングアームピボットはクランクケース上に設置され、エンジンは車体構造物の一部となる設計です。DUCATI, NSR250, VTR1000F, CBR954RRなどで同様の構造が見られます。
エンジンはリアタイヤよりも狭いため、全面投影面積が増加するフェアリングは装着されていません。また、同様の理由でラジエタもシートの下に移動されています。
ラジエタをシート下に位置させる設計は、Brittenの他では伊ベネリくらいではないでしょうか。エンジン後方で生まれる大きな負圧を利用し、エンジン上部からエアを取り入れて冷却を行う構造だそうです。
インジェクションの採用やダブルウィッシュボーン構造のフロントサスペンション、カーボン製のフェアリング、フレーム、ホイールといった数々の技術的なチャレンジがなされています。
現在の目で見ても斬新な設計のオートバイですが、設計者のジョン・ブリッテンは癌という病魔に奪われてしまいました。