Multistradaの購入後からフルパワー化のために検討していたTuneBoyを導入しました。別売のクイックシフター(歪ゲージ付きのシフトロッド)も同時に装着して、より快適なツーリングバイクとして活躍させます。
ECU交換
TuneBoyの導入に先立って、既に取り付けられていたEU仕様のECUを日本仕様のものに戻します。前回はタンクを下ろして作業したのですが、ガソリンが満タンでしたので、左側のカウルを外して作業しました。先人の知恵に感謝。
TuneBoyの取り付けとバッテリーの充電
TuneBoyは純正ECUのデータを更新するツールなのですが、データ更新時に非常に電力を使うようで、車両側のバッテリーが十分に充電されていなければなりません。作業前に手持ちのトリクル充電器を繋ぎました。それから、ライダーシートの後ろ側にある診断コネクタにTuneBoyを接続します。
作業中の風景はこんなかんじ。
クイックシフター用のロッド取り付け
純正のシフトロッドを取り外してTuneBoyのキット品に交換します。歪ゲージ付きのシフトロッド、コントロールユニット、O2センサコネクタに取り付けるカプラが一体になっています。
シフトロッドは歪ゲージが内蔵されているために純正よりも少し長く、シフトリンクの位置を変更する必要があります。配線はクラッチレリーズの辺りを通っている既存のものと並べるように通し、シート下のO2センサカプラに接続すれば取り付け完了です。
ECUの書き換え
ECUフラッシュ作業の詳しい内容はtalkriverさんのブログエントリー を見ていただくとして(いつもお世話になっています!)、Mac上の仮想マシンでWindowsで作業を行ったので備忘録をまとめます。
事前準備
- VirtualBoxをインストールする
- VirtualBox上にWindows 10をインストールする
- TuneBoyのメールアドレス、パスワードのペアを用意する
- 備品の確認
- WB-01本体
- USBケーブル
- バッテリー充電器
- 接続の確認
- バッテリー充電器とMultistradを接続して充電を開始する
- Windows機とWB-01を接続する
- WB-01とMultistradaを接続しない
ソフトウェアとドライバーのインストール
ECUフラッシュツールはTuneBoyのウェブサイトから Full Version 6 install for Mitsubishi ECU のリンクを辿ってダウンロードします。
- SetupDucatiMitsubishi_V6.exe を実行してインストール
- LogWorks3Setup.exe 実行してインストール
FlashMitsubishiの起動とECU書き換え
FlashMitsubishiを起動します(事前準備のところにも書きましたが、このとき、WB-01とMultistradaは接続しなくてOKです)。ソフトが起動してWB-01と接続されると、写真のような画面になります(写真は書き換え中のもの)。
この状態でWB-01とMultistradaを接続してMultistradaの電源を入れると、ECUのシリアルなどが表示されます。もし表示されない場合はWB-01とMultistradaのケーブルを抜いてもう一度挿します。
次の手順でECUの書き換えを実施します。
- Select Tune File をクリックして MTS1200_2013_to_14_CruiseAndTune_V6_7dTune.dat を選択
- Apply trim table to Tune をクリックして MTS1200_Gen2_PikesPeak_Full_Termi_NoDBKillers_V6 を選択
- Prepare ECU をクリック(※記憶に頼ってるので違ってたらゴメンナサイ)
※選択するファイルは自身の車両に合わせたものを選択してください
ソフト下部のゲージが100%になったら書き換え完了です。
トラブルシューティング
WindowsからWB-01を認識しない
LogWorks3にWB-01の接続用ドライバーが含まれます。 LogWorks3Setup.exe を実行してインストールを行いパソコンを再起動します。
FlashMitsubishiがMultistradaを認識しない
次の手順を試してみてください。
- Windows機とWB-01を接続する
- FlashMitsubishiを起動する
- WB-01とMultistradaを接続する
- Multistradaの電源を入れる
Multistradaの電源が落ちる
バッテリー電圧(?)が低いと電源が落ちるようです。次の対策を行ってください。
- バッテリー充電器で満充電になるまで待ってから作業する
- 作業中も充電を行う
なお、ECU書き換え中に電源が落ちると、 ERRORS ENGINE と表示されてちょっと怖い目に遭います。
試走とまとめ
ここに書いてる他にクイックシフターの設定などを行いましたがそれはスキップ。
私のMultistradaはフルエキ+EU仕様ECU+バッフル付きで走らせていたのですが、極低速のトルクが少し増したかなと感じました。特に低開度でのスナップ時に回転がついてくるようになり、気を使わなくて良くなったのが助かりますね。近いうちに現車合わせのセッティングをする予定です。
クルーズコントロール、クイックシフターについても試しました。
前者は走行中にスターターボタンを短押し(以前は3秒押しだった?)すると、そのときの走行速度が維持されるようになります。高速道路で試したのですがこれはかなり楽ちん。一方で、クルーズコントロールを効かせたままコーナーに突入すると、荷重移動が出来ずにちょっと怖いです。クラッチを握るかブレーキをかければ解除されるので人間の使い方が大事ですね。
後者はアップシフト、ダウンシフトともに対応しているのですが、セッティングの余地がありそうです。低回転・低負荷域でのシフトアップはシフトショックが大きいです(点火カット時間が長すぎる?)。高回転・高負荷域は問題ありませんでした。ダウンシフトも低回転域ではスロットルを開いている時間が長いようで、シフトショックが大きいし、バイクが前に進んでしまいます。
なにはともあれ、Multistradaがより快適なバイクになり、キャンプ旅に余裕が出来そうです。