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モーターサイクルと自転車とキャンプの日々。

Motor Sich Primus PT-1 (モトールシーチ・プリムスPT-1)

コンパクトな液体燃料バーナーとしてMotor Sich Primus PT-1 (ロシア語ではпримус шинок,примус ПТ-1らしい?) を購入しました。

Motor Sichは旧ソ連時代から存在するウクライナの航空機や産業用エンジンメーカーで、過去にはアウトドアストーブも製造・販売していたということでしょうか?ちょっと面白いストーリーですよね。

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Primus PT-1とは?

PT-1は燃料タンク、バーナーが金属製のケースにひとまとめになっている、いわゆる箱ストーブと呼ばれるジャンルの製品。

Optimus 8Rを参考に旧ソ連で製造されたクローンと言われています。8Rの実物は見たことがないのですが、写真で見る限りそっくりで双子のようです。スペックは次のようになっています。

  • サイズ: 13cm x 13cm x 8cm
  • 火力: 1700kcal程度
  • 燃料: ガソリン
  • 燃料タンク容量: 160ml
  • 燃焼時間: 50分

外観は鉄製の四角い箱で、上下がモナカ合わせになっています。

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金属製のケース

ケースを開けると燃料タンクとバーナーが入っており、スライドさせて引き出して使います。写真は引き出してあるところ。中央の真鍮色の部品がバーナー、右側のステンレス製と思しき筒が燃料タンクです。

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燃料タンクとバーナーが内蔵されています

オリジナルのOptimus 8Rはアンティークとしてプレミアムがついていますが、私は安価な実用品として使うためにウクライナのショップから購入。COVID-19の影響で輸送は遅れに遅れて、5月下旬の発送で到着がなんと7月末!

早速、分解組み立てしたり、燃焼確認したメモをまとめます。

分解する

※タンクとバーナーの接合部は再度シールできるか不明だったため分解していません。

付属の工具(フタ部分に取り付けられている金属板を打ち抜いたような工具)であるていど分解できます。ジェットノズル上部のフレア部分は手で反時計回りに回すと外れます。ジェットとスピンドル部分は工具を使ってください。

分解すると次の写真のようになります。

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全体図

左上から時計回りに燃料タンク、燃料タンクのヒートシールド、バーナー、クリーニングニードル、ジェットノズル、バーナーヘッド?、工具、スピンドル固定のナット?、スピンドル(黒いグラファイトパッキンが取り付けられていますが分解するのを忘れました)となっています。

組み立てる

過大なトルクで締めなければ壊れることはまず無いでしょう。1点気をつけることがあるとすれば、クリーニングニードルの上下位置調整です。次の手順で組み付けます。

  • スピンドルを時計回りに回してバルブを全閉にする
  • クリーニングニードルをバーナー本体に挿入する
    • ニードルはバーナーの上方に向けます
    • スピンドルを手前に見て、クリーニングニードルのラックギアが左側になるように挿入します
  • クリーニングニードルをスポンジやゴムなど、柔らかいもので上から軽く押さえます
  • スピンドルを反時計回りにゆっくり回します
  • クリーニングニードルのラックギアが3〜4回空振りしたところでスピンドルを時計回りに締めます

クリーニングニードルの構造

クリーニングニードルはイラストのような構造になっています。上部の針がジェット内を通過することで煤を落とし、ガス流路を確保してくれるというわけですね。

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加工がけっこう雑なのか、私の個体は底部の赤い箇所にバリがあったため、砥石で削って整えてバーナーの底に落ち着くよう加工しました。

クリーニングニードルの調整を間違えるとどうなるか?

クリーニングニードルの位置が低すぎる場合、着火後に消火することができなくなります。バーナーの内部でクリーニングニードルが底づきしてしまい、バルブを閉めることが出来なくなるためです。再度分解し、組立時にラックギアの空振り回数を1回減らしてください。

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クリーニングニードルの位置が高すぎる場合には十分な火力が得られなくなります。スピンドルを反時計回りに回すとバルブが開きガスの量が増えますが、クリーニングニードルも上昇してしまい、ジェット孔を塞いでしまいます。組立時にラックギアの空振り回数を1回増やしてください。

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使い方

マニュアルを読むのがベストなのですが、そもそも付属していなかったのと、仮に付属していても読むのに難儀していたであろうことが原因です。次の手順で使っています。

  • 燃料タンクに給油してキャップを閉じる
  • スピンドルを反時計回りに回し、ジェットノズルをクリーニングする
  • スピンドルを時計回りに回し、バルブ全閉する
  • プレヒートを行う
    • 燃料は煤の出ないアルコールがオススメ
    • 3ccほどプレヒート用のお皿に垂らす
    • 着火して2分くらいプレヒートできればOK
  • スピンドルを反時計回りに少し回し、バルブを開いて点火
  • 温まっていれば燃焼開始

プレヒートから湯沸かしまでの動画を撮影しました。

メンテナンス情報

Optimus 8Rとは部品の互換性が無いため、補修部品として使えないそうです。

各部のパッキン類が必要な場合にはeBayで検索して購入するのが良いでしょう。 Soviet Tourist PT-1Primus PT-1 , Red Army Stove などのキーワードで探すことが出来ます。バーナー本体、ジェットは補修部品として購入できないので丁寧に扱いましょう。

www.ebay.com

トラブル

スピンドル部分から火が漏れる

バルブスピンドル部分から燃料が漏れて火がついてしまうことがあります。スピンドル固定用のナットを締める必要がありますが、締めても漏れるようであればグラファイトパッキンが消耗しています。

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スピンドルの挿入部分から漏れた燃料に引火

メンテナンスの参考

メンテナンスに関しては以下の動画が参考になります。特にクリーニングニードルの位置調整は勝手が分からなかったので動画があって助かりました。バーナーを組み立てる際に使用している焼付き防止のペーストも参考になります。

今後

必要な部品がコンパクトなケースに収められていること、構造が簡素で分かりやすいことの2点がたいへん気に入りました。

一部の補修部品は新規で購入できないため大事に使おうと思いますが、意図して乱暴に扱わない限りまず壊れることは無さそうに見えますし、実用品として使い倒せそうです。

ウィンドシールドやバーナープレートなどのアクセサリも存在するので、海外から入手したり、自作するのも面白そうですね。

コールマン(Coleman) エコクリーン 4L 170-6760

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  • 発売日: 2013/03/12
  • メディア: スポーツ用品