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モーターサイクルと自転車とキャンプの日々。

リモートワークのコスト

猛威を振るう 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、世界中の都市で外出制限がかけられ、国によって入出国時の隔離期間があり、あわせて航空機は相次ぐ減便で国をまたぐ移動がなくなるという前代未聞の事態の真っ只中にいます。

日本では4月7日に緊急事態宣言がなされました。人の集まる催し物の中止、飲食店の時短営業や一時閉店、都市部のオフィスの一時閉鎖が行われています。

満員電車やオフィスで人と接することで感染リスクが上がるため、WFH = Work From Home(在宅勤務)を採っている会社も増えてきました。わたしも同じようにWFH体制を整えて、そのときに発生した&継続的に発生しているコストについてまとめてみました。

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仕事に必要な設備

私はここ数年、IoTハードウェアやサービスの開発・提供を行う 株式会社tsumug にお世話になっています。

tsumugでの私の仕事はIoTシステムの設計と実装が主です。ハードウェア検証も時々行いますが、バックエンドAPIとの整合性を確認したり、エビデンスとしてシステムログを採集するくらいで、ハードウェアを直接修正するようなことはありません。

ですので、ときどきハードウェアの検証をするものの、基本的にはWeb開発のデスクワークと言ってよいかと思います。個人的に必要な設備をざっくり挙げます。

  • 快適に作業できるPC
  • 高速なインターネット回線
  • 椅子
  • ディスプレイ
  • 飲み物、食べ物
  • 音楽

この中ではPCのみ持ち込んでいましたが、その他はオフィスに揃っていました。お菓子も飲み物もあるなんて良いオフィスでしょ?

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準備

さて、環境を揃えるとお金もかかりますし状況が変わったときに対応しづらいので、什器などはオフィスから借り受けることにしました。借りてきたのは以下です。

  • 昇降デスク
  • オフィスチェア
  • ディスプレイ

電車では運べないので、赤帽さんに連絡して運搬してもらいました。

www.akabou.jp

ほとんど引っ越しですね。23区内で1.5万円程度でした。ちなみに配送業もキャンセルが相次いでいて、ほとんどお仕事がないそうです…。

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作業感

オフィスとほぼ変わることなく作業が出来ています。オフィスの席と同じ設備を持ってきたので当然といえば当然です。これは業務上、素直に喜べることでしょう。一方で、企業が提供する作業空間がどのようなものか、考え直す良い機会になりました。

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個人に転嫁されるコスト

在宅作業をすると個人に転嫁されるコストがいくつかあり、問題になっている会社もあるようです。以下は私が実感したコストがかかる設備、環境です。

  • PC、ディスプレイ、机、椅子など
  • インターネット回線
  • 場所、空間
  • 移動時間

PC、ディスプレイ、机、椅子など

PCはもともと自分のものを使っていましたが、昇降デスク、椅子(何故か余ってたアーロン・チェア)、4Kディスプレイは自宅には置いていなかったのでオフィスから運び込みました。新規に用意するとそれなりのコストがかかります。

費用的には10〜15万円くらいでしょうか。

インターネット回線

家で仕事をしないのであれば高速なインターネット回線は不要と考えている方も多いと思います。私はマンションの附属設備を使っていて、速度はあまり速くありませんが、ビデオカンファレンスも何とかなっています。

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新規に契約すると、初期費用1万円程度、毎月3000円〜7000円程度は出費が発生しそうです(詳しく調べてません)。

場所、空間

いくつかの家具をどかして無理矢理机と椅子を置きました。代わりに収納用の家具を手配して模様替えを始めたところです。そもそも広い部屋ではないので限度がありますから、環境を継続的に維持するには引っ越す必要が出てくるでしょう。

作業場所、業務に必要な荷物の置き場を鑑みて、生活スペースから+1部屋必要と考えると、場所にもよりますが毎月2〜3万円が追加で必要になります。

なお、一般的なオフィスでは1名あたり3〜4坪を使用しているとのこと。渋谷辺りでは坪単価3万円程度なので、スタッフ1名のスペースに10万円前後のコストが発生しています。

soken.xymax.co.jp

別のアプローチとしては、仕事用のスペースを近所に持つ手段もありえます。tsumugでTiNK Deskというサービスを実験しているのですが、残念ながら近所にありません。

thebridge.jp

時間

移動時間がなくなったので時間的には余裕が出来ました。しばしばものすごく忙しいことがあるので、これはありがたいです。金銭的なコストではありませんが、時は金なりと言いますし、移動時間は短いに越したことはありません。

空いた時間を仕事のチャンスとして考えるか、余暇として考えるかで意味が変わりそうですね。

まとめ

わたしの場合、自宅を仕事場にするという選択肢を採った場合、個人に転嫁されるコストはおおよそ以下のようになります。

項目 初期費用 費用
机、椅子、ディスプレイなどの設備 10万〜15万円 -
インターネット回線 1万円 5,000円
場所、空間 - 3万円
移動時間 - プライスレス
合計 11万〜16万円 3.5万円

企業がオフィスのスタッフ1名当たりに支払っている報酬以外の付帯コストってどのくらいなんでしょうね?

さいごに

この騒動が終わればオフィスは機能させられるのでしょうけど、中央集権的なオフィスがなくても機能する組織を検討する良いタイミングなのかも知れません。こうした変化は不可避で、人がどこでどう働くのか、業務上発生するコストを誰が負担するのか、短期的に決断して、継続的に考えていかなければならないでしょう。

ITサービスを開発する企業などは、オフィスの席数を減らしてその分の費用をリモートワーカーの業務用設備に割り当てるような動きがあるのでは、と思っています。

リモートワークがし易い仕事環境、止まることのない流通や食品供給には感謝しかありません。この悪夢みたいな騒動が早く落ち着いてほしいですね。