スキルアップのために参加したブッシュクラフトインストラクター講習の1回目を終えました。
ブッシュクラフトインストラクター講習はJBS = Japan Bushcraft Schoolが認定するブッシュクラフト技能の講習です。1泊2日、全3回の講習ですが、キャンプブームの追い風もあってか毎回すぐに予約が埋まってしまいます。
2月に申し込んだもののCOVID-19の影響で開催が危ぶまれ、何度か延期しましたがようやく1回目が開催されたので参加してきました。
今回の講習には、昨年の秋に取得したブッシュクラフトアドバイザーの技術をベースに、より高い技術を身につけるために参加した次第です。
ブッシュクラフトアドバイザー講習については去年のエントリーをどうぞ。
本講習では「ブッシュクラフトの技術を人に教えることのできる技能を持った人」を養成するためのカリキュラムになっていて、随所に「人に教える技術」が盛り込まれます。
二日間のお題を箇条書すると次のようになります。
- 1日目
- アドバイザー講習で習得したロープワークの復習と教え方の練習
- タープ立ての復習と教え方
- 2日目
- ロープワーク
- メタルマッチの使い方
- 濡れた薪を使った焚き火
1日目
ロープワークの復習と教え方
アドバイザー講習で習得したロープワークの復習をしつつ、受講生同士でペアを作って「教える技術」を学びます。受講生のペアを交代しながら教え方をピア・レビューします。講師のような仕事経験の有無が出てくるのですが、少しずつフィードバックを得ることで徐々に分かりやすくなることが面白いですね。
過去に担当していた講師経験が活きていたのか、ダメ出しは少なかったのですが、実技デモはゆっくりしたほうが良いとアドバイスをいただきました。人に何かを伝えるとき、ゆっくり話すことは心がけているのですが、ゆっくり行動することは意識が足りなかったようです。
タープの張り方
こちらもアドバイザー講習で習得したタープの張り方を、人に教える体で独り言を話しながらタープを立てます。パラコードを張る方向、ペグを打つ向き、ハンマーの打ち方など、声に出しながら作業すると発見がありました。
2日目
ロープワーク
午前中は土砂降りだったので、屋内で新しいロープワークを学びます。
習得したのはトラッカーヒッチを3種類(トラッカーヒッチ、神戸ヒッチ、南京ヒッチ)、ダブルフィッシャーマンズノット、プルージック。1日目と同様に、人に教えることを意識しながら繰り返しロープワークを練習します。なんと3時間!
トラッカーヒッチは覚えたいと思っていたヒッチの一つで、この機会に習得できたのは嬉しかったです。しかも用途別に複数!亜種がたくさんあるようなので、ウェブサイトやYouTubeを探して試そうと思ってます。
ダブルフィッシャーマンズノットとプルージックは簡単ですが、使いやすそうなノットなので今後のキャンプで活用できそう。
メタルマッチの使い方
いくつかのメタルマッチを題材に、使いやすいもの、そうでないもの、ナイフで使う場合の注意点などを学びました。
メタルマッチは一般的な使い方をすると対象物を殴って吹き飛ばしてしまったり、それによって怪我をすることもあるので、いくつかのバリエーションを覚えておくのは価値がありそうでした。指先だけで着火できるスタイルは活用できそうです。残念ながら写真なし。
濡れた薪で焚き火をする
焚き火を起こすには、焚き火台を使ったり、ファイアピットを掘ったりという方法がありますが、今回は濡れた薪を使って焚き火を熾すトレーニングです。偶然にも午前中に豪雨があったため、フィールドは泥だらけでややハードモードでした。
森を歩き、焚き火をするための材料を集めます。材を細かく折って薪を作り、水分を飛ばすためにブンブン振り回して並べておきます。次に、木を組み合わせて筏を作り、土を被せて地面から離れた位置に火床を作って準備完了。
ワセリンボールを火口にして、小さい枝に火がつくとたくさんの煙を出しながら、少しずつですが炎が広がっていきます。
火口にしたワセリンは初めて使いました。量によりますが5〜6分ほど燃えるため、火を熾すには十分な時間があります。薪を振り回して水気を取るのも実効性があり良いです。
雨上がりで泥だらけのフィールドでの焚き火は高い難易度を想像していましたが、理屈に則った行動をすることで焚き火を熾せることがわかりました。これぞ技術です。
最後に澱火を使って簡単な調理(と言ってもパンを焼くだけ!)をして講習会は終了。
あとがき
ブッシュクラフトは都市生活に必要なものではありませんし、その他の実生活でも役に立つかは分かりませんが、自然とともに過ごすためのプリミティブな技術を学ぶことは知的好奇心を満たしてくれます。
例えば、用途やロープのダメージを考えながらロープワークを実践することは滑車の原理や摩擦といった物理の授業を思い出しますし、地面が濡れているなら浮かせた場所で焚き火をしようというのも理屈として理解できます。
こうした内容を体系的に習得できる講習は貴重と感じます。
9月まであと2回講習があるので、講師からさまざまな技術を受け取って身に着けていきたいですね。